理事長業務代行(第3者による管理)とは

分譲マンションでは、区分所有者全員で建物及びその敷地及び付属施設の管理をするため管理者を置くことができます(区分所有法第3条)。管理者という言葉はなじみがないかもしれませんが、通常の管理組合での「理事長」のことです。近年、この理事長(役員)のなり手不足が言われています。平成20年、一般財団法人マンション管理センターがまとめた「マンション管理の新たな枠組み造に関する調査検討報告書」でもすでにマンション管理の課題として、「役員のなり手不足」が指摘されています。
国土交通省では、平成28年に発表した「マンション標準管理規約」で第3者による管理の可能性について規定し、平成29年6月には、「外部専門家の活用ガイドライン」を発表しています(http://www.mlit.go.jp/common/001189183.pdf)。
分譲マンションの管理の主体は区分所有者であることはもちろんですが、今後第3者管理を選択する管理組合が増えてくることは確実であると思われます。

第3者による管理とは

第3者による管理には、大きく分けて、3つの方式があると言われています。

・ 理事・監事外部専門家型、又は理事長外部専門家型

理事会を存続させたまま、第3者が理事長に就任し同時に管理者になる場合、もしくは理事長=管理者は区分所有者が就任するが理事もしくは監事に外部専門家が就任する場合

・ 外部管理者理事会監督型

理事会が存在したまま、理事長も他の役員も区分所有者が就任するが、外部専門家が管理者として就任し、外部専門家を理事会が監督する場合

・ 外部管理者総会監督型

理事会を構成せず外部専門家が管理者として就任し、総会で外部管理者を監督する場合

第3者による管理のメリット

第3者による管理を導入する際のメリットとしては、

・ 役員のなり手不足を解消できる

第3者が管理者となることで、役員選任人数が減少するという事だけでなく、専門家が管理者となることにより、理事就任の際の責任、業務及び気持ちの負担が軽減することが考えられます。

・ 専門家が管理組合運営に直接関わることにより、より適正な管理運営が実行されることが期待できる。

→管理会社に管理業務を委託している場合、管理会社へ専門家が適切な指摘を行ない良好な管理業務を受けることがと期待できます。また、緻密な管理組合運営を行なう事が可能となり、区分所有者の合意形成に寄与することも期待できます。

 

第3者による管理導入の注意点

  • 費用が発生することを考える
  • 業務範囲、責任範囲を明確にしておく
  • 監視体制を整える

最低限以上のことは必要だと考えます。

 

まとめ

分譲マンションでは、理事長のなり手がないからといって管理をおろそかには出来ません。適切な管理を行なわず管理不全になったとしても最後責任は区分所有者にあります。
でも、役員となって管理組合運営に関わることが負担となる区分所有者の存在ももう無視できません。
そんなマンションでは、「第3者による管理」を検討することもひとつの方法です。

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